体験者が語る「マルチ商法」にハマる人の3つの特徴(2)そして承認欲求地獄へ (2/3ページ)
なんて素晴らしい世界なんだ!
気づけば弱気の虫はなりをひそめ、私は承認欲求地獄にどっぷりはまり込んでいた。
■クラブのヘルプで借金返済
みんなに認められる自分でいたい。
この思いばかりが先行して、借金は増加の一途を辿っていた。アップラインに「さすが西尾ちゃん」と褒められるたびに、足りない自分の売り上げを自腹で補填した。ダウンライン(傘下メンバー)から「さすが潤さん」と尊敬されるたびに、彼らの足りない売り上げを補填すべくお金を貸した。それらはすべて借金で賄っていた。銀行系だけでは追いつかず、サラ金、マチ金にも手を出した。
結果、自転車操業していた返済も回らなくなり、目の前の数万円を頼るつもりで両親に相談したことを発端にすべてが露見した。
「全部の借金、いまここで隠さずに書き出しなさい!」
激怒する両親に促され、書き出した総額は700万円。いま思えば、22歳の若者がよく借りられたものだと思う。高金利の350万円は親に借りて即返済。今後いっさいマルチには手を出さないことを約束させられた。昼間の定職についた。夜は北新地のクラブで接客のヘルプをし、3年半後、ようやく銀行・信販会社・親へのすべての借金を返済することができた。
私はマルチ商法、すなわちネットワークビジネスの危険性に警鐘を鳴らしたいわけではない。日本の法律においては合法の販売システムであり、良心的にビジネスを進めている会社はたくさんある。
このような事態に陥ったのは自己責任だ。若さと無知で突っ走り、親に多大なる迷惑をかけた。19歳の自分に会えるのならば、ぶん殴って目を覚まさせたい。
でも、これって私だけの特殊事例なのだろうか。
自分に満足できていない人、勉強熱心な人、自己評価の低い人はそこら中にいるのではないだろうか。