血に飢えた妖刀?アイヌに伝わる妖刀伝説「人食い刀」イペタムのエピソード (2/3ページ)

Japaaan

小玉貞良『古代蝦夷風俗之図』

それでもしばらくは村の長老が秘術をもって人食い刀を鎮めていたのですが、その長老が亡くなってしまうと、人々は刀を蒲で編んだ筵に包んで封印します。

「ここまでしておけば近づく者もおるまいし、恐らく大丈夫じゃろう」

しかし、しばらく経つと今度は包みが不気味な光を放ちはじめ、恐ろしくなった村人たちは包みを捨てに行ったのですが、これがどうしたことか山へ捨てても川へ捨てても、ひとりでに戻って来てしまいます。

「どうしても何か斬らずにいられないなら、石と一緒に箱へ入れて閉じ込めれば、そのうち刃がボロボロになるかも知れない」

それは妙案だと試したところ、箱の中でしばらく石を削る音がしたものの、やがて石を切り刻んだ刀は箱を突き破って又しても暴れ始めました。

「こうなったら、神様にお告げを聞くしかない!」

人々が必死の思いで祈りを奉げると、神様が「底なし沼へ捨てよ」とお告げ下さったので、その通りにしたところ、ようやく人食い刀は出て来なくなったそうです。

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