アイヌ文化を伝える蝦夷絵(アイヌ絵)に描かれた暮らしぶりと描かれなかった精神性 (4/4ページ)
先に挙げた小玉貞良や蠣崎波響など、実際に蝦夷地に住んでアイヌたちの暮らしぶりを間近に見てしっかりと描いた画匠がいる一方で、蝦夷地に行ったことさえないような者が「アイヌっぽい絵」で荒稼ぎするような例もあったと言います。
蠣崎波響『夷酋列像』より、クナシリ惣乙名のツキノエ(貲吉諾)
「やれやれ、これだから和人(シャモ)は……」
アイヌたちのあきれ顔が目に浮かぶようですが、現代でもそんな「アイヌっぽさ」を観光資源など地域活性化の起爆剤にしているところもあり、どうか大らかな心で見逃してやってはいただけないでしょうか。
※参考文献:
須藤隆他 編『古代の日本9 新版 東北・北海道』角川書店、1992年7月
新明英仁 『「アイヌ風俗画」の研究-近世北海道におけるアイヌと美術』 中西出版、2011年2月
国際浮世絵学会 編『浮世絵大事典』東京堂出版、2008年6月
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