10代前半の少女も。北海道室蘭市にあった政府公認の遊郭「幕西遊郭」の歴史と現在 (3/3ページ)
また遊郭のあった幕西坂では、女郎をめぐる男たちの争いが絶えず、後に「人殺し坂」と異名がつくほどでした。
それほどまでに、男たちは追い詰められ酷使されていたのでしょう。しかし忘れてはならないのが、その男たちの下で欲を満たすための道具と化した女性たちの存在です。
華々しい発展の裏側で繰り広げられた、凄まじい人間模様があったことは、現在も多く語られてはいません。命をかけて働いた労働者、それを受け止めた女郎、ともにこの激動の時代における犠牲者なのではないでしょうか。
幕西遊郭の跡地はいま幕西遊郭は売春防止法施行の昭和33年、その歴史に幕を閉じました。現在は当時の面影はなく、幕西坂付近は落ち着いた雰囲気の静かな住宅街となっています。かつて非人道的なことが、この地で行われていたとは思えないほどです。
しかし上へ進むと見えてくる、集合住宅のような建物は現在もそのまま。その佇まいは今もなお、深い悲しみが続いているかのように、ひっそりと残っています。また遊郭跡地はもとより、北海道の中でも室蘭市は大規模な過疎化が進んでいます。
駅から広がるアーケード型の商店街は、多くの店がシャッターを閉まったまま。建物も古く廃墟と化してビルが、たくさんありゴーストタウン化しています。かつては大勢の人々で賑わいを見せていた様子は、見る影もありません。
今回は明治から昭和初期にかけて、実際に存在した幕西遊郭について語ってきました。
その後は高度経済成長を経て大きく変貌を遂げた日本。一方その裏ではこのような出来事があったこと、現在の私たちの生活はこのような悲惨な歴史の上で成り立っているということを決して忘れてはいけないのです。
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