世界の福本豊 プロ野球“足攻爆談!”「佐藤輝を疲れさせる采配はアカン」 (2/2ページ)
ここまで20本塁打はすでに新人の左打者の新記録となった。ソフトバンク・柳田の新人時代も見ているけど、佐藤輝のほうが1年目の完成度は上。このまま使い続ければ、清原の持つ新人最多記録31本の更新が見えてくる。200三振しようが関係なく、使い続けないといけない選手。失敗を重ねることによって、どんどん成長していくんやから。
「内角の速球が打てない」と注文をつけられることもあるけど、僕から言わしたら「お前らは打てたんか」となる。ましてや佐藤輝は1年目なんやから、苦手な球やコースがあって当然。周りの声に惑わされることなく、このまま強く振るスタイルを貫いていけばいい。
でも、あの試合の矢野監督の涙は印象的やったな。確かに劇的なサヨナラ勝ちやったけど、相当、精神的に追い込まれていたと思う。ヤクルト戦のサイン盗み騒動で、ベンチでガラの悪い言葉を発してネットなどで随分と叩かれたみたいやから。それに加えて、巨人にも負け越して、だいぶ気持ちが弱くなっていた。ただ、本当の勝負はこれから。開幕前の優勝予想は今のところ当たっているけど、このまま終わるかと聞かれると、はっきり言ってわからない。巨人とのマッチレースはこれからどんどん激しくなる。矢野監督も周囲の声を気にせず、どっしり構えて采配をしてほしい。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。
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