日本人は”劣等人種”?明治時代、国際結婚による「人種改良」を主張した井上馨 (4/4ページ)
終わりに
とかく政治家というものは自分を特権階級とでも思っているのか、その施策に際して他人事な態度をとることが多いようです。
だから民意とかけ離れた政策がしばしば打ち出されるのでしょうが、井上馨にしても「自分も日本人=改良の対象である劣等人種」などとは微塵も思わず、「劣等な日本人どもに、高貴な西洋人の血を入れてやろう」とでも考えたのでしょう。
「列強クラブへようこそ!」カモにされねばよいが……ビゴーの風刺画より
それにしても、西洋には西洋のいいところがあるように、日本にだって日本のいいところがあるのに、それに気づかず「ないものねだり」ばかりしがちな日本人の習性は、今も昔も変わりません。
どの国も人種も民族も、誰もが誇り高く生きられて、公平・公正な友好関係を築ける社会の実現には、まだまだ長い道のりがあるようです。
※参考文献:
井上馨侯伝記編纂会 編『世外井上公傳 第三巻』内外書籍、1934年3月
小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論 巨傑誕生篇』小学館、2014年1月
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