似た者同士より「正反対の者同士」が結ばれる理由 (3/3ページ)

マイナビウーマン

その瞬間「帰り遅いんで、夕飯は冷蔵庫のカレー温めて食べてください」という牧の言葉がフラッシュバックし、春田は牧への想いを再認識する。

そして牧もまた同様に、真逆の性格を持つ春田に救われることになる。

先述したように、牧は思慮深いが、その分ひどく繊細だ。自分の素直な気持ちを言葉にするのが苦手で、蓋をしてしまうことがある。

晴れて春田と付き合うことになっても、“男同士”という点で将来や世間の目を気にして、「自分とこのまま一緒にいても春田さんは幸せになれないのではないか」ということばかり考えてしまう。そんな牧は思い詰めすぎるあまり、突然別れを告げる。

春田が「(別れの理由を)言ってくれなきゃ分かんねぇよ!」と涙ながらに問い詰めても、牧は断固として本当の理由を言わない。それどころか「俺は、春田さんのことなんか好きじゃない」と嘘をつき、わざと突き放す。

この破局が先ほどのルームシェア解消事件につながるのだが、もし春田が牧と同じような思慮深く繊細な人間だったら、このまま2人は遠慮し合い、離れ離れになって終わっていただろう。

しかし、春田はタフであり、バカがつくほど正直でまっすぐな人間だ。別れてから1年後、最終的に牧への想いを再認識した春田は、飛行機で旅立つ直前の牧を追いかけ、絶叫する。

「お前はいっつもさ、そうやって、勝手に決めるなよ! 俺は、お前とずっと一緒にいたい! だから、俺と、結婚してくださーーーーい!!」

ストレートすぎる告白に、牧は思わず笑う。ここまでされたらもう、自分の気持ちも隠さなくていいやと吹っ切れたのだろう。2人は復縁し、また一緒に暮らすことを決めた。

世間一般的に「似た者同士が惹かれ合う」というのはよく耳にする。趣味や育った環境など、共通点が多い者同士が意気投合するのは確かに納得がいく。

しかし、付き合ってからうまくいくかどうかはまた別だと思う。今回紹介した春田と牧の関係性から考えると、気持ちに蓋をしがちな牧は、気持ちをストレートに伝えてくれる春田がいたからこそ、最終的に自分をさらけだすことができたのではないか。

人間は誰しも完璧ではない。だからこそ、自分とは性質が異なるパートナーと一緒に過ごし、お互いに足りないものを補い合うことで、安心したり、学びを得たり、強くなれたりする。

そして自分もまた誰かにとってそういう存在でありたいと、『おっさんずラブ』を見て改めて思った。

(編集・文:高橋千里、イラスト:タテノカズヒロ)

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