紙背文書、漉返紙…紙が貴重だった昔のリサイクル術を紹介 (3/4ページ)
漉き返すと元の紙に書かれていた墨が水に溶けて付着するので、元の紙よりも暗い薄墨色になるため、薄墨紙(うすずみがみ)と呼ばれたほか、古いことを意味する宿紙(しゅくし)、熟紙(じゅくし)などの呼び名もあります。
また、昔は親しい人が亡くなると、その故人が書いた手紙などを紙背文書として、あるいは漉き返して写経することで供養する習慣があり、死者の魂を反(かえ)す反魂紙(はんごんし)、還魂紙(かんこんし)などとも呼ばれたそうです。
そんな紙のリサイクルは庶民のみならず朝廷においても行われており、用事が済んで不要となった大量の公文書を図書寮紙屋院(ずしょりょう かみやいん。紙の製造を担当)で漉き返したため紙屋紙(かみやがみ、こうやがみ)と呼ばれました。
(※ただし、漉き返しに限らず新品の紙でもこのように呼ばれています)
新品の紙は貴重なため、天皇陛下の命令においても略式である綸旨(りんじ)では漉返紙を用いており、そのため綸旨紙(りんじがみ)とも呼ばれています。
終わりにそんな紙背文書、漉き返しの文化も、紙の大量生産が可能となった江戸時代以降は衰退。往時を偲ぶ愛好家に向け、あえて新品の紙に墨を混ぜて漉いたものが薄墨紙などとして使われたそうです。