いま“美少女プラモ”がアツい! 沼にハマる人続出で『コトブキヤ』が大成長
プラモ・フィギュアメーカーとして知られる『コトブキヤ』が、今年度の決算で大幅な増益を報告。その原動力となったのは、飛躍的な進化を遂げつつある「美少女プラモデル」の大ヒットだという。
8月13日に発表された2021年6月期の連結決算によると、「コトブキヤ」の営業利益は約9億8700万円を記録。前年同期比で332.2%増という大幅な増益となっていた。その理由としては、自社IPである『創彩少女庭園』『メガミデバイス』『フレームアームズ・ガール』といった美少女プラモデルの売り上げが好調だったことが挙げられている。
とくに注目すべきは、2020年にスタートした「創彩少女庭園」。これは「コトブキヤ」オリジナルの可動式美少女プラモデルで、『キズナアイ』で有名なイラストレーター・森倉円がキャラクターデザインを手掛けている。今までの美少女プラモは「ガンプラ」のようなロボットプラモの延長として作られることが多かったが、同シリーズの題材は普通の学校に通う女子校生たちだ。
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— 創彩少女庭園 公式 (@SOUSAI_official) July 28, 2021
造形のかわいらしさはもちろん、好きなポーズを取らせたり、さまざまなパーツでカスタマイズしたりと自由度が高いところもポイント。「figma」や「SH Figuarts」といった可動フィギュアの最先端として、熱狂的な人気を博している。
SNSなどでは《創彩少女庭園で初めてプラモ組んだけどクオリティやばすぎ! 特に髪の質感がすごい!》《市販のフィギュアよりかわいいかもしれん……》といった声があがっており、順調に美少女プラモデルの〝沼〟に落ちる人が続出しているようだ。
「コトブキヤ」がプラモの覇権をにぎる時代へ!?最近、にわかに盛り上がりをみせる美少女プラモデル界隈。実は「ガンプラ」で有名な『バンダイ』も、「コトブキヤ」とほぼ同時期に似たような商品を展開していた。しかし当時の「バンダイ」による美少女プラモデルはあくまで「ガンプラ」の一種で、女の子の素体にロボットの装甲をつけたものがメインだったと言える。
「コトブキヤ」もまた、出発点はロボット・プラモデルの装甲を女の子の素体につけた『フレームアームズ・ガール」だった。しかし元となるロボットを持たない『メガミデバイス』を経て、ロボットと関係のない「創彩少女庭園」の発売に辿り着いている。まさに時代の最先端を切り拓いてきたわけだが、それは「コトブキヤ」が自社IPでプラモデルを作っていることと無関係ではない。『ガンダム』に縛られている「バンダイ」には、開拓者の役割は難しかったのだろう。
しかしながら、「バンダイ」も8月21日に『機動戦士ガンダムSEED』のラクス・クラインの美少女プラモデルを発売。これはロボット要素のない可動フィギュアであり、流行のど真ん中を行く商品としてヒットが予想されている。
「コトブキヤ」と「バンダイ」。2社がしのぎを削る美少女プラモデルの戦国時代は、まだ始まったばかりなのかもしれない。
文=「まいじつエンタ」編集部
【画像】
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