日本で唯一キノコを祀る神社「菌神社(くさびらじんじゃ)」

心に残る家族葬

日本で唯一キノコを祀る神社「菌神社(くさびらじんじゃ)」

八百万の神がいるという日本。神社ではアマテラス・ヒルコ・スサノオなど日本神話に登場する神々や、実在した歴史上の人物を神として祀ったり、動物を祀る神社は多く存在するが、「キノコ」を祀っている神社があることはご存じだろうか。

■身近な食材・キノコ

そもそもキノコとは普段の食事で口にすることの多い安価なものも多いが、森の中の存在でいうと、実は動物や植物の食物連鎖を支える大きな存在なのである。自然界で動物たちの死体を最終的に分解出来るのは菌類しかいないため、キノコはクマやシカやウサギなどの餌になりながらその死体を土の栄養に変え、植物の成長を促している。種がなく繁殖し死体に生えてくるキノコの姿は人間の目には不気味にうつるが、その裏で森にはなくてはならない存在として君臨しているのだ。

■水木しげるの書いたクサビラ神

日本を代表する漫画家・水木しげるの書いた作品に登場する妖怪や神々のブロンズ像177体が並んでいる鳥取県境港市の「水木しげるロード」。その中でも一際シンプルで可愛らしい像がキノコの神様「クサビラ神」である。

近江地方で大飢饉に襲われ多くの人が餓死してしまう寸前だったが、ある男が見たことのない小さなものが歩いて森に消えて行く様子を目にした。後をつけてみると枯草に無数のキノコを生えており、飢餓に苦しんでいた人々はこのキノコを食べ命を繋いだ。男の見たものこそ、クサビラ神だというのだ。

■クサビラ神・キノコを祀る神社「菌神社」

滋賀県栗東市には伊砂砂神社が兼務しているお宮「菌神社」がある。祀っているのは水木しげるの描いたクサビラ神同様、飢饉を救ったキノコの神様だ。今ではキノコの栽培会社をはじめバイオテクノロジー関連会社の関係者や、近年の健康志向の上昇からキノコが注目され一般客の参拝も多く、その御朱印には可愛らしいキノコの絵柄が三種描かれている。5月3日の祭礼では古代より伝わっている同じく菌つながりの発酵させて作るジャコのなれ寿司がそなえられる。

■愛され続けるキノコたち

ビタミン豊富で栄養価が高くカロリーの低いキノコは健康食材としても人気で、日本は中国に次ぎ生産量世界第二位というキノコ大国である。またその可愛らしいイメージから漫画やゲームのキャラクターに多く採用されており、ある調査によると91.2%の人が「キノコは好き」と答えるなど日本人は実はキノコの事が大好きなのだ。その一方毒を持っている種類や、おぞましい見た目の種類まであり、物や動物を神と祀る文化には畏れ祀られて当然の存在なのかもしれない。

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