チャットモンチーの楽曲を今聴くと「沁みる」ワケ (3/3ページ)
そして、振り返ってみると、全部に対して肯定的に思えた。
せわしなく、情緒が不安定で、「いつまで荒れてるの?」と言われてしまいそうな今までの人生も、全部たまらなく特別なものに思えて、キラキラ輝いていた。私に暗黒な時期なんてなかったのだ。こんなにも、過去がたまらなく愛おしいと感じたことはない。
チャットモンチーと出会わせてくれた彼とのことはもちろん、それから今に至るまでしてきた数え切れないほどの恋愛も、経験も、全部がいい思い出だし、私はきっとこれからも素敵な人生を歩む。
だって、どんな恋愛をしていても、どんな暮らしをしていても、いついかなる時だって私は自分の人生を全速力で楽しんでたんだから。
これが大人になったということなのか。自分の人生が、今、誰よりも好きだ。
「こんなに頑張ってたんだな、私」と自分の軌跡を眺めることができた。いつも何かが物足りないと感じていた私は、もしかすると本心では自分の人生を良いものと思えていなかったのかもしれない。
でも、25歳の今、チャットモンチーが“人生への恋愛”を教えてくれた。本当に幸せな生き方とは、自分の人生を愛してあげられることなんだ。
あの時ウォークマンにチャットモンチーを入れていたセンスのある彼、チャットモンチー、そして今まで頑張ってきた自分、ありがとう。きっと私は、何年か後も、変わらずにチャットモンチーを聴いている。
あぁ、10分後も10年後も、同じように生きているだろうか。
(文:佐々木笑、イラスト:オザキエミ)