世界最大・仁徳天皇陵に「仁徳天皇は不在」/今から始める古墳入門(1) (3/5ページ)
すごい大王墓であることは間違いありません」(河合氏)
古墳のイメージとして現代人に刷り込まれているのは、伝仁徳天皇陵に代表される、緑の木々に覆われた、こんもりとした丘陵のイメージだ。正にグリーンでエコの象徴のように見える。しかし、このような姿は建造当時の姿とは大きく違っていると、古墳研究の専門家である東京国立博物館研究員の河野正訓氏は語る。
「古墳というのは、土を盛って、埴輪を立てたり、葺石(ふきいし)という石を斜面に敷いていたりもするので、建造当時の姿と、現在私たちがイメージする緑の丘みたいなものとは、だいぶ違っているはずです」
石が敷き詰められた斜面? それが最もわかりやすいのは、群馬県の保渡田(ほどた)古墳群の「八幡塚(はちまんづか)古墳」や神戸の「五色塚(ごしきづか)古墳」だという。無数の葺石に覆われた3段構造で、エジプトのピラミッドや、古代マヤ、アステカ文明の階段状のピラミッドの神殿などと似て、荘厳ではあるが、およそエコというよりは、人工物の無機質な印象すら受ける。1500年の間にいつしか木々が墳丘に覆い被さるように生い茂った結果が、〝緑の丘〟の正体なのだ。
古墳の構造はどうなっているのだろう、再び河野氏に聞いた。