七夕には実は残酷な由来が…。織姫と彦星「七夕伝説」の真のストーリーをさぐる (2/4ページ)
天帝は仕方なく「以前のようにしっかり働くなら年に一度だけ会わせてやる」と言います。
こうして「一年に一度だけ会うことができる織姫と彦星」の伝説ができあがったのです。
なんだか救いのないお話ですね。
恋愛にのめり込んで周囲が見えなくなってしまった男女が、神様から天罰を受けてしまう……。その神様も、自分が仲人をつとめた二人だというのにずいぶんと酷なことをします。
中国では、星座のコト座のベガが織女(しゅくじょ)星、鷲座のアルタイルが牽牛(けんぎゅう)星とされています。織女星は裁縫の仕事を、牽牛星は農業の星をそれぞれ司っており、それぞれが伝説の織姫と彦星になぞらえられました。
二人が会える七月七日は、天の川に鵲(かささぎ)が橋を架けます。しかし曇りの日は天の川が氾濫してまいます。そこで、二人が無事に合えるように……という願いを込めて、笹に短冊を飾るようになりました。
もともと中国では、女性が裁縫の腕前の上達を願って織女星にお願い事をする「乞巧奠(きっこうでん)」という行事がありました。これが上記の伝説と交ざり合って「七夕にお願いごとをする」という行事に発展していったのでしょう。
日本、そしてアジアの「七夕」さて、この伝説が日本にも伝わります。