世界が注目する「昆虫食」で「コオロギ」が注目されるワケ (1/2ページ)

新刊JP

世界が注目する「昆虫食」で「コオロギ」が注目されるワケ(*画像はイメージです)
世界が注目する「昆虫食」で「コオロギ」が注目されるワケ(*画像はイメージです)

最近、スーパーマーケットのお菓子売り場で「コオロギせんべい」「コオロギチップス」など、コオロギを使ったスナック類を見かけることが増えた。

昆虫食というと、人によっては「絶対ムリ!」となるが、日本でもイナゴなどが古くから食べられてきたわけで、昆虫食の文化がないわけでもない点は周知の事実だろう。しかし、なぜ今昆虫食で、なかでも「コオロギ」なのか?その理由を教えてくれるのが『最強の食材 コオロギフードが地球を救う』(野地澄晴著、小学館刊)である。

■動物性たんぱく質が手に入らない時代がくる?

地球人口が増え続けることによって、今後世界のあちこちで食料不足が発生する懸念がある、という説は多くの人が聞いたことがあるのではないだろうか。国連食糧農業機関(FAO)によると、世界的な人口増加が加速するなかで、2020年以降の人口の増加にともなう動物性たんぱく質の不足量は、2050年には1億トンに達するという。

ならば畜産や水産を効率化して肉や魚を大量に生産すればいいじゃないかと考えたくなるが、実はこれらは生産される動物性たんぱく質の数倍から10倍ほどの飼料が必要になり、効率性に問題がある。

畜産飼料となるトウモロコシや大豆などは人の食料とも競合するし、水産養殖の飼料となる魚粉は海洋環境の変化と過剰な乱獲で減少傾向とあって持続性に疑問符がつく。畜産や水産の規模拡大で食料不足に対応するのは難しい、というのが昆虫食に注目が集まる理由なのだという。

肉も魚も野菜も豊富にあり、なおかつ人口も減少傾向の日本からするとあまり現実感のない話ではあるが、その日本とて食料自給率の高い国ではない。輸入に頼っている食料品が輸入元の食料不足で入ってこなくなる可能性がないわけではない以上、昆虫食は他人事ではないのだ。

■なぜイナゴでもカイコでもなく「コオロギ」なのか?

では、あまたある昆虫のなかでも、なぜ「コオロギ」なのか?
東南アジアの食文化と深く結びついているコオロギ。先述のFAOも高効率な動物性たんぱく質の供給源としてコオロギの活用を推奨しているのだが、その理由はいくつかある。

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