人の真価は死に様にこそ…明治時代の士族叛乱「福岡の変」に散った英雄たちの最期【上編】 (4/4ページ)
月にかかっていた雲が晴れたから、冥土への道のりを迷わず行けるだろう
(なすべきことを成したのだから、もうこの世への未練はない)
いずれも越智の辞世ですが、「あらうれし」とおどけてみせる一面と、「いつか誠の実を結ふ」ことを希(こいねが)うひたむきな思いを併せ持った彼らしさがよく表れていますね。
さて、斬首の任を果たした篠原には賞与金10円(現代の価値で約40万円)が与えられ、これを使って越智の墓に石灯籠を建立、一首の和歌を刻みます。
散る花と 知れと嵐の なかりせは
春の盛りを 友とゆくらん【意訳】たとえ散る運命であっても、無情な嵐が吹き荒れなければ、春のよき日を君と楽しめただろうに……
永年の友と和解することなく、その手で斬らねばならなくなった篠原の心中が偲ばれます。
一方、武部は別ルートで官憲の捜査網を掻い潜り、鹿児島まであと一歩というところまできたのですが……。
【下編へ続く】
※参考文献:
玄洋社社史編纂会『玄洋社社史』葦書房、1992年10月 小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論 第二部 愛国志士、決起ス』小学館、2015年12月 田中健之 編著『「靖国」に祀られざる人々 「逆徒」と「棄民」の日本近代史』宝島社、2007年7月 夢野久作『近世快人伝』葦書房、1995年2月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan