がんばる姿が愛らしい『源氏物語』のヒロイン?おてんば少女「近江の君」の姫さま修行 (2/4ページ)
歌川豊国「源氏香の図 篝火」
それがいきなり頭中将に迎えられたのは、近ごろ光源氏が隠し子・玉鬘(たまかづら)を見つけ出し、それが評判となっていたのが妬ましくて「自分にも隠し子がいないか≒かつて関係を持った女性が、人知れず子供を産んでいないか」探させた結果、近江国(現:滋賀県)あたりで見つけたというのです。
「ふーむ、よく似ている。この顔立ちを見ると、やはり我が娘に間違いないな」
確かに、黙っていれば美人なのですが……。
「キャー、お父ちゃ~ん!」
いかんせん下民の間で育ったため、言葉づかいや振る舞いに品がなく、聞けば出産に際して祈祷してくれた僧侶が早口だったのが伝染ってしまった、と言うことでした。
「……まぁ、磨けば光る……かな?」
「うん。よくわかんないけど、あたいがんばる!」
こうして近江の君のやんごとなき?姫さま修行が始まるのですが、何を学ばせても教養が身につかず、とても貴族社会で生きて行けそうにありません。
「う~ん……」
一方の玉鬘は、同じく下民の間で育っていたにもかかわらず、真綿が水を吸い込むように美しく、雅びやかに成長。近江の君とはまるで正反対でした。
こんな娘を野放しにしておいたら、自分の面子が丸つぶれだ……頭中将はしだいに近江の君を疎むようになります。