すべて悪霊の仕業!?平安時代、天皇陛下をボコボコにしてしまったトンデモ女官の逸話 (3/4ページ)
「……わたくしが解説いたしましょう」
訳知り顔で表れたのは、左大臣の藤原道長(ふじわらの みちなが)。
「この女もむしろ被害者なのです」
一体どういうことか……道長の曰く、今回の暴行事件は悪霊が引き起こしたものであり、その悪霊はもともと三条天皇に憑りつき、苦しめていたところ、加持祈祷の成果によって三条天皇から追い祓われ、民部掌侍に乗り移ってしまったのだとか。
「すべては悪霊が悪いのですから、この女は無罪放免とすべきでしょう。むしろ陛下の代わりに悪霊を引き受けたのですから、その献身を褒めてもよいくらいかと」
ニヤニヤしながら道長は続けます。
「そもそも、男が女に殴られたくらいであれこれ騒ぎ立てるのは、いささかみっともない気がせぬでもありませぬゆえ、ここは不問に処されるがよいかと……」
「むぅ……」
腑に落ちない三条天皇でしたが、結局のところ民部掌侍については不問とされたのでした。
もしかしたら、彼女は道長の息がかかっていたから、屁理屈をこね出してかばったのかも知れません。