斎藤佑樹「ハンカチ裏面史」(1)開幕完投勝利でエース宣言も… (2/2ページ)

Asagei Biz

 早実時代の06年に決勝で楽天・田中将大(32)と投げ合い、延長15回引き分け、そして再試合の末に夏の甲子園を制覇。その後に進学した早大では、東京六大学史上6人目の「30勝・300奪三振」を達成し、10年ドラフト会議の目玉として4球団から1位指名された。

「キャンプ前の新人合同自主トレは空前の〝佑ちゃんフィーバー〟でした。2軍施設のある鎌ケ谷スタジアムの駐車場は連日満車で、近所の梨畑に臨時駐車場が設置されたほどの盛況ぶり。高校球児の頃から追っかけていた〝佑ちゃんマダム〟なる熱狂的なファンたちも登場しました」(スポーツ紙デスク)

 文字通り母親代わりの温かい視線をエネルギーに変えたのか、1年目は6勝6敗、防御率2.69という、まずまずの成績を残した。

 同年オフに就任した栗山監督は、キャスター時代から注目していたスターを猫っかわいがりし、猛反発を食らった。

「2年目の斎藤を開幕投手にゴリ押ししたんです。あまりに特別扱いしすぎていないかと周囲が忠告しても、全く聞く耳を持たず。さすがの斎藤本人も『(まだ球団の)顔じゃない』と戸惑い気味でしたが、『特別扱いというのは、どんな仕事でもある。それを恥だとか負い目に感じる必要はない。それだって一つの強みにすればいいんだ』と〝栗山語〟で勇気づけたといいます」(スポーツ紙デスク)

 以降、斎藤と栗山監督の二人三脚は続くが、金言が功を奏したのか、9回4安打1失点でプロ初の完投勝利を挙げた。試合後のヒーローインタビューでは、

「今は〝持ってる〟ではなく背負ってます」

 と、高らかなエース宣言をぶちかましたものだ。しかしながら、順風満帆なプロ野球人生もここまで。あとは一気に下り坂に転じることになる。

*「週刊アサヒ芸能」10月21日号より。(2)につづく

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