ご近所に光を当てて、「共助」の可能性を探る【書籍発売『新しい地域ネットワークの教科書』】 (2/3ページ)
個人レベルの内容だけでなく、本書の後半部では行政機関、地域社会、企業が行っている具体的なメソッドや事例など紹介されています。さらに、かねてより地震や台風などの災害に遭遇し助け合ってきた日本人の歴史にも触れています。
◆ご近所の共助を育むメリットを紹介
ご近所の共助を自分ごと化するメリットはたくさんあります。それはどういったものでしょうか。
・社会に必要とされるフューチャースキル(人間性と多様性を理解して社会性を身に着け、公共心を育む力)を身に付けられる。
・好奇心、誠実さ、自制心などの非認知能力の向上を生み出す。
・笑顔のあいさつ(世帯状況がお互いわかっている)を交わすことが、防災や防犯につながる。
・自分の体験や観察からの情報(感情・思考)である「一次情報」が得られる。
こうしたスキルは、大学入試の総合型選抜(旧AO入試)などでも役に立つと著者は述べます。その先にある就職・転職・複業・起業などにも生かせるスキルです。何より世代問わず、多くの学びと成長、つまり生きる力を得られる機会になります。まさに「学校では教えてくれないこと」があふれているのが、ご近所の共助なのです。
◆さまざまな地域活動に向き合っている著者と考える「ご近所の未来づくり」
著者の伊藤幹夫(いとうみきお)さんは、「人生と地域を豊かにする幸せの実践
」を掲げ講演会やコンサルティングを行う草の根ジェロントロジー株式会社代表取締役を務める人物です。銀行や損害保険会社勤務を経て独立。50歳を前に実家へ戻った時、かつてとは異なるご近所の姿に違和感を感じ、社会人大学院に入り、地域コミュニティと地域包括ケアシステムを学び、現在も文献研究とフィールドワークを重ねています。住民の声と自身の問題意識から、ご近所の未来を見据え、現場での試行錯誤に身を置いているため、読み応えのある本になっています。