江戸最大の深川岡場所の花街に生きた「辰巳芸者」という“いき”のいい女たち【後編】 (4/4ページ)
それを見た、たみが、いきなりその三ん下の頬っぺたを殴りつけ、
盃洗をひったくってその酒を奴の頭からざーっと引っかぶせたのだ。
そして、その妓の手を引くとものも言わずに引き揚げてしまったという。
その詫びとして一年間お座敷に出ることができなくなり、叔母の家に身を寄せているという。
勝は『お前さん怖いんだねえ。そんな人足へ酒をぶっかけるなんて』と言ったというが、
これこそが辰巳芸者の心意気ってものなのです。
結局、勝とたみは夫婦となるのです。その先には妻妾同居という事態が待っているのですが、たみは自分の子も妾の子も別け隔てなくかわいがったといいます。
それも辰巳芸者の“意地の張り”かもしれませんが。
(完)
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