今でもあなたを…身分違いの悲恋を引き裂かれながらも互いを想い続けた平安貴族のエピソード (2/3ページ)

Japaaan

小鹽の山と、二人の思い出を彩る紅葉

大原や 小鹽(おしお)の山も けふ(今日)こそは 神代(かみよ)のことも 思ひ出づらめ

【意訳】このすばらしい紅葉を見ていると、ついつい遠い昔のことを思い出してしまいますなぁ……。

※大原とは春日大社を指し、小鹽の山は大原にかかる枕詞(まくらことば。お決まりのフレーズ)。

かつて二人が愛し合った思い出は遠く神代(神話時代)のようですが、私は昨日のように思えて、今でも忘れがたくいる……そんな翁の胸中を知って、高子は人知れず涙を耐えるのでした。

東国へ駆け落ちするも……引き裂かれた二人の悲恋

七十六
昔、ニ條の后の、まだ春宮の御息所と申しける時、氏神にまうで給ひけるに、近衛府にさぶらひける翁、人ゞの禄たまはるついでに、御車よりたまはりて、よみて奉りける。
大原や小鹽の山もけふこそは神代のことも思ひ出づらめ
とて、心にもかなしとや思ひけむ、いかゞ思ひけむ、知らずかし。

※『伊勢物語』より

……この翁の正体は「体貌閑麗、放縦不拘(※ハンサムで優雅、そして自由奔放…『日本三大実録』より)」と謳われた貴公子・在原業平(ありわらの なりひら)

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