妊娠するのは〇〇〇の仕業!?古代日本人の「セックス観」と「自然観」のつながり (2/2ページ)
雷は稲とセックスするのです。ちなみに、さらに昔の人々は雷のことを「稲交(いなつるび)」と呼んでいました。「つるぶ」もセックスを意味する言葉で、現代の「つるむ」という言葉の語源です。
もしかすると、性行為における絡みつきのイメージから、植物などの「つる」という言葉もここから生まれたかも知れません。
「雷エネルギーで稲がよく育つ」は迷信か?さて、では雷と稲が交わることで稲が妊娠するというのが迷信なのかそうでないのか、という話になります。ちょっと聞いただけでは迷信としか思えないのですが、あながちそうとも言えない研究結果もあります。
もともと、落雷した場所でシイタケを栽培するとよく実るという話がありますし、シメジやトコナメについても同様の結果が出ています。
どうやら、キノコに雷による衝撃が与えられると、命が危険にさらされると感じるのか、菌糸が非常に活発化するらしいのです。キノコだけではなく、カイワレダイコンやグラジオラスも、人工的な稲妻によって発芽が早まることが証明されています。
現代になって科学的に「発見」された事柄を、大昔の人々がとっくに知っていたらしいことが判明すると、度肝を抜かれますね。
この「雷は実は植物の生命エネルギーの源になっている」という見方も、実はそうなのかも知れません。古代人は、雷によって稲が生長することがあると気づいていたのかも。
参考資料
中西進『日本人とは何か』講談社、1997年
進路のミカタ
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan