平家の落武者伝説がここにも…高知県に伝わる300年以上の奇祭「早飯食い」とは? (2/3ページ)
「敵襲!敵襲―っ!」
「おのれ、見つかってしまったか……」
「いざ、迎え撃たいでか!」
「その前に腹ごしらえを……」
なんてやりとりが繰り広げられたのでしょうか。
さて、神事が執り行われた後に一人一杯の茶碗飯が配られ、合図と共に味噌と湯を入れて一斉に掻きこみます。
「味噌!味噌!味噌!」
「湯!湯!湯!」
少しでも早く完食するため、例年であれば味噌や湯を求めるかけ声で賑わうのですが、新型コロナウィルス感染防止のため、人数は制限され、かつ無言で手を上げて知らせる方式になりました。
早い人だと15秒ほどで完食してしまうそうで、胃袋はもちろんのこと、喉が驚いてしまいそうですが、残さず食べることが作法であり、やはりお米を作ってくれた方への感謝を忘れてはいません。
かつての賑わいが戻ることを待ち望みながら、令和3年(2021年)も伝統が受け継がれていったのでした。