人助けしていたのに…山梨県に伝わる、妖怪「送り狼」の悲しい伝説 (1/2ページ)

Japaaan

人助けしていたのに…山梨県に伝わる、妖怪「送り狼」の悲しい伝説

「送り狼」と言えば、何を思い浮かべますか?

夜道に女性を送り届けて、そのまま襲ってしまおうかという下心のある男性を冷やかす際に呼んだりしますよね。

竜斎閑人正澄画『狂歌百物語』より「送り狼」(Wikipediaより)

もともとは「送り犬」などとも呼ばれる妖怪のことで、山中などで人の後をつけてきて、隙をみて害を加えると考えられていました。この送り犬は、つけられている最中に転んだりすると食われてしまうという恐ろしい妖怪。しかし、命乞いをしたりお礼を言えば助けてくれるともいわれています。

山梨県の瑞牆山や金峰山などの麓に、登山者にはひときわ人気の増富温泉という場所があります。筆者が趣味の登山で訪れた際に、この「送り狼」の悲しい伝承を聞きました。

温泉郷近くにある「本谷林道」というのがあり、今は人が絶えて歩く者もいませんが、江戸時代は信州峠を越えて長野県佐久市に至る重要な道だったとのこと。

いつごろからか、真っ暗な夜中に旅人がこの峠を越えると、目には見えないものの何か怪しげな気配が林道の出口までついて来るようになりました。

妖怪の類いかと恐れた村人が、お坊様や行者に拝んでもらいましたが全く効き目はありません。そこで、猟師に罠を仕掛けてもらうことにしたところ、ある日大きな狼が罠にかかっていました。

「この狼が後をつけていたのか、人を食べようとしてたのだろうか」と、村人は寄ってたかって狼を殺してしまいます。

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