遊郭で生まれた恐怖の風習!?「指切りげんまん」から読み解く人類文化の秘密 (3/4ページ)

Japaaan

例えば寛政3年の『九替十年色地獄』には、指を切ろうとしている遊女の姿が描かれていますが、文章をよく読むと「ついでにこのち(血)ででき合のきしやうを二三枚かいて……」などと言っています。

『九替十年色地獄』より。画像左上に「ついでに……」の文言が読み取れます

「きしやう」とは起請文のことで、男女が心中する時に誓いの言葉を書いて血判を押し、神社に納めるもの。「ついでに」という言い草には緊張感が感じられません。江戸時代には小指の模造品が出回っていたという話もあり、本当に小指を切る遊女というのは多くはなかったのではないでしょうか。

ただ、責任の証として指を切断するという習慣は、別の世界には存在しますね。そう、ヤクザの「指詰め」です。これなどは、生活や身分が遊女と近い博徒に「指切り」の考え方が伝わり、これがその後もヤクザの慣習として受け継がれたと考えられています。

ですから、「本当に指を切る奴なんているわけないだろ」と一笑に付すこともできません。ちょっと話が広がりますが、ニューギニアのダニ族の女性は、家族が亡くなると指を切断し、苦しみや痛みを死者と分かち合う風習があるそうです。身体の一部を愛情や責任の証として捧げるという考え方は、世界共通の文化なのでしょう。

「指」と人間の文化の関係

さて、「指切りげんまん」の「指切り」の由来は分かりました。では「げんまん」とは何かというと、漢字で書くと「拳万」になります。パンチで一万回ぶん殴るという意味なのです。

しかも、この歌は最後に「嘘ついたら針千本飲ます」と言っています。改めて歌詞の全体を見てみると「誓いの証に指を切った。

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