子どもを苦しめる「毒親」が持つ幼さとは (2/3ページ)
――本書では、人がどのように「毒親」になっていくのか、毒親に育てられている子どもはどうすればそこから抜け出せるのかを実例を挙げて解説されています。袰岩さんがこの本を通じて伝えたかったことを教えていただきたいです。
袰岩:ひとつは、毒親はひとりで勝手に毒親になるのではないことです。必ずそこにはプロセスがあって、時には世代を超えた連鎖として生まれてしまうということですね。
もうひとつは、この本では母娘関係に焦点を絞っているのですが、毒親に育てられている娘の方々には、現状から抜け出すことはきっとできるということをお伝えしたいです。
――今のお話にもありましたが、本書では「母娘関係」に焦点を当てています。これは「毒親」という言葉の生みの親ともいえるスーザン・フォワードの母娘関係の描き方を尊重していると同時に、母と娘の関わりの中に「有毒な」という言葉の意味が一番よく表れているからだとされていますが、母娘の関わりの中にこそ母の「有毒さ」が表れることにはどういった事情があるのでしょうか。
袰岩:母娘に限らずどんな組み合わせであっても悪影響を受けるということはありえるのですが、特に母と娘というのはお互いに引き付けあうところがあって、気がつかないうちにプレッシャーを受けていたり、親から色々なものを取り入れていたりしやすいんです。娘はお母さんの影響を受けやすいんですね。取捨選択ができずにお母さんの言うことを何でも吸収してしまうといいますか。
――子どもは生活範囲や行動範囲からいっても、自分の環境や親について他と比較して見られるとは限りません。となると自分が親に苦しめられていたとしても、そうと気づかないケースもあるはずです。自分の親が「毒親」とはいわないまでも「ちょっとおかしいかも」と気づくタイミングはいつごろが多いのでしょうか。
袰岩:おっしゃるように、やはり自分がある程度成長しないと見えてこないというのと、あとは家庭の外の世界との関わりがあるかどうか。この二点を考えると中学生前後が多いのではないでしょうか。