子どもを苦しめる「毒親」が持つ幼さとは (1/3ページ)

新刊JP

『毒親の彼方に』(幻冬舎刊)の著者、袰岩秀章さん
『毒親の彼方に』(幻冬舎刊)の著者、袰岩秀章さん

虐待やネグレクト、過干渉などによって我が子に害を与える親を指す言葉として「毒親」というワードが使われるようになって久しい。

「一部の異常な人」というイメージを持たれがちだが、実際には毒親は「一見、普通な人」の中にもいる。『毒親の彼方に』(幻冬舎刊)はそんな毒親の実態と、毒親に育てられた子どもたちがいかに親に苦しめられ、そして解放されていったかを、カウンセリングの現場で起きた実例を挙げてつづる一冊。

人はなぜ毒親になるのか。そして毒親にならないためには何が必要なのか。自分の親が毒親だと気づいた時、どうすればいいのか。毒親を巡るさまざまなテーマについて著者の袰岩秀章さんにお話をうかがった。

■子どもを苦しめる「毒親」に潜む幼さとは

――袰岩さんは臨床心理をご専門にされています。「毒親」という言葉はここ数年、メディアでよく見かけるようになりましたが、臨床心理の分野では今「毒親」はホットトピックなのでしょうか?

袰岩:スーザン・フォワードという心理学者が使った「Toxic parents(有毒な親)」という言葉の訳として「毒親」という言葉が使われるようになったのがはじまりなのですが、臨床心理学の世界ではそれほど積極的に取り上げられているわけではありません。

――スーザン・フォワード以前にも「子どもに害を与える親」という概念はあったんですか?

袰岩:子どもを虐待するとか、うつやアルコール依存症で子育てを放棄するとか、「子どもに害を与える親」自体はたびたび取り上げられてきました。ただ、現在の「毒親」という概念や言葉はありませんでした。

この本のまえがきで少し書いたのですが、虐待やネグレクトをする親だけでなく、「普通の人」の中にも子どもを苦しめる親は存在します。それを表すのに、「毒親」というワードは、ちょっと言葉は強いですがわかりやすいのかなと思います。

「子どもを苦しめる「毒親」が持つ幼さとは」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧