「人は目標を適切に設定できない」自己啓発書の落とし穴とは? (2/4ページ)
――成功法則は時代に左右されない普遍的な真理という装いで本に書かれることが多いですが、実際はそんなことはないのでしょうか。
山岸:もちろん普遍的な部分もあるんです。私自身、フランクリン・コヴィー社の日本法人で『7つの習慣』をずっと扱っていましたから、そこで書かれていることの普遍性はよく理解しています。
ただ、それこそ『7つの習慣』のような古典的名著で書かれているような普遍的なこと以外にも大事なことはあって、それは時代とともに変わっていきます。その変わっていく部分にも対応しないと、やはりうまくいかないんです。
――この20年間で成功法則はどのように変わってきたのでしょうか。
山岸:2000年前後の自己啓発書として象徴的なのが『金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著)と『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著)です。
『金持ち父さん貧乏父さん』は当時アメリカ社会で起きていた不動産投資をめぐる様々な変化を上手にピックアップした本で、まさに「普遍的ではない部分」の本でした。『チーズはどこへ消えた?』は、僕も著者にお会いしましたけども、「とにもかくにも変化が激しくなっている世の中で生き抜くためには、変化に対応するスキルを身につけないといけない」という内容で、やはりこれも時代に即したものでした。
翻って今の状況を見ると、人はまだ変化にどう対応していいかわからないし、原理原則に基づいた普遍的な部分よりも表層的なところで何をすればいいかという具体的な策がなく、もがいている。そんな状況が今だといえます。
――本書でテーマになっているのが「人は目標を適切に設定できない」という点です。これは、これまでの成功法則の根本を揺るがすテーマですよね。
山岸:目標を適切に設定できていないせいで、計画を立てて実行してもうまくいかないというケースが非常に多いんです。だから、目標を立てられない人でもうまくいって幸せになれる方法を考えない限り、多くの人は幸せになれません。