「のどに飴を詰まらせ、どんどん紫色になっていく息子の顔。一度は助かったと思ったのに、その後...」(静岡県・年齢不明女性) (2/3ページ)
息子が大きい声で一声泣いた途端、出てきた飴を再び吸い込んでしまい、今度は気道の奥を完全に塞いでしまったのです。
声も出なく、苦しむ息子先ほどまでは少しは声が出ていたのに、今度はピッタリと飴がハマり、声も出なく苦しむ息子。
彼の顔が一気に紫になったのを見て、泣きそうな私。我が子を死なせないために再び背後からお腹を圧迫する夫。最悪の事態でした。

しかも、飴はなかなか思うように出てきません。どんどん変色していく、辛そうな息子の顔を見て、私の頭の中には
「死ぬかも!!」
とよぎりました。
救急車にすぐ電話してという主人の声で我にかえりましたが、パニックになり、番号がわからない。周りの買い物の人たちは、私たちに気づく様子もなく通り過ぎていく......。
短い時間でしたが、人生で一番長く感じました。
その時です。たまたま通りかかった見知らぬ中年の女性が、声をかけてきました。
「ちょっと私に貸して」女性は息子の背後にまわり...
女性は、息子の背後にまわって再びみぞおちを圧迫。必死にやってくれました。
すると飴が出たのです。今度は口の中ではなく、外に転がりました。
大きな大きな声で泣き、息を大きく吸い込んだ息子の顔は一気に血色をとりもどしました。
「ありがとうございます!!」
泣いてお礼を言う私に、彼女が「よかった」と一言笑ってくれたのを今でもはっきり覚えています。
同時に救急車も到着して......。振り返ったときあの女性はもういなくなっていました。
息子は今高校でハンドボール部に入り元気に過ごしています。
そして息子は言います。僕のこの命は、生かされた命だから、僕は消防士になるよと。
あの方にお礼が伝わりますように。