千葉真一の素顔…関根勤が語る「『キイハンター』で丹波哲郎さんに悔しがっていた」 (2/2ページ)

日刊大衆

千葉さんのモノマネの原点とも言えるでしょうね。

■『キイハンター』丹波哲郎との逸話

『キイハンター』は、共演者も個性的な方ばかり。中でもボス役の丹波哲郎さんの存在は大きかった。

 千葉さんから聞いた話ですが、撮影前には完璧にセリフを頭に入れてくる千葉さんに対し、丹波さんはセリフをほとんど覚えてこないんだそうです。

 現場に行ってから、台本をパラパラめくるわけです。だから、本番では、そのセリフを思い出すように、ゆっくりしゃべる。あるいは途中で言葉に詰まってしまうこともある。でも、それが絶妙な「間」になっているんですね。できあがった映像を見ると、貫禄たっぷりの演技になっている。

 千葉さんが、悔しそうに言っていました。

「ろくにセリフを覚えてこない人に、誰も勝てないんだから。とんでもない俳優ですよ、丹波さんは」

 丹波さんは、俳優である以前に、人間としてのスケールが大きいというか、懐の深い方でしたよね。あの人が出ているだけで映画やドラマがグッと引き締まって見えました。そんな名優と多くの作品で共演したことは、千葉さんにとっても財産だったんだと思います。

『キイハンター』が終わると、千葉さんは映画を中心に活躍されました。

 最初に驚かされたのが、深作欣二監督の『仁義なき戦い 広島死闘篇』(73年)で演じた大友勝利。それまでのイメージとは打って変わり、狂暴な悪役です。野蛮な言葉使いもすごかったけど、僕にとって印象的だったのはその動きでした。

 千葉さんは並外れた運動神経と筋力の持ち主だから、ただ歩くだけ、ただ部屋をうろつくだけでも他の俳優さんとは、まるで違う。マイク・タイソンがリング上をウロウロしているような怖さがあるんですね。これこそ、真のアクション俳優だと思いました。

 そして、あれだけ動けるから、逆にグッと抑えた芝居をしても抜群にうまい。空手映画で激しい「動」の演技をする一方で、山田太一さんが脚本を書かれたホームドラマなどでは「静」の演技も見せる。この幅が「俳優・千葉真一」の魅力なんじゃないでしょうか。

 現在発売中の『週刊大衆』12月27日・1月3日号では、千葉新一の息子である新田真剣佑との逸話も掲載している。

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