黄泉の国の入り口とされている島根県松江市にある揖夜神社とは (1/2ページ)
島根県には、古代出雲國の中心地であった意宇郡(おう)に六つの神社が存在する。意宇は現在の松江市であり、これらの神社は意宇六社とよばれ、「六社まいり」が行われている。その六社の中でも、何かと謎が多く、あの世への入り口黄泉比良坂の近くにある揖夜(いや)神社を紹介する。
■出雲国造との関係が深い「意宇六社」とは
意宇六社とは、揖夜(いや)神社、熊野大社、神魂(かもす)神社、眞名井(まない)神社、八重垣神社、そして六所神社を指す。意宇は、古代出雲國の政治と文化の中心地であり、これらすべての神社が出雲国造りゆかりの社である。そして出雲の国づくりといえば、神話で有名な国生のお話である。出雲大社に祭られる大国主命(おおくにぬしのみこと)の祖先である『いざなぎのみこと』と『いざなみのみこと』の別離のお話にはなんともいえない切なさを感じる。
■黄泉の国の話
『いざなぎのみこと』と『いざなみのみこと』が多くの神を生んだことはよく知られている物語である。いざなみのみことは、火の神を生んだ際、大火傷を負って亡くなってしまうが、いざなぎのみことは、悲しさのあまり妻を追って黄泉よみの国へ向かう。しかし、妻はもうこの世にはもどれない。なんとか帰れるようにお願いをするため、その間決して自分の姿を見ないように言われてしまうのだが、待ちきれなかったいざなぎのみことは、妻の姿をみてしまう。その恐ろしい姿に、逃げ出してしまい、自分の姿を見られたことに怒ったいざなみのみことは、その後を追いかける。そして、いざなぎのみことは、黄泉の国の入口を大きな岩でふさいでしまうのだ。そして、この伝承が残るのが黄泉比良坂であり、近くに揖夜神社が存在する。
■揖夜神社について
揖夜神社は、古事記や日本書紀にも登場する由緒正しい神社である。毎年8月28日には、穂掛祭(ほかけまつり)と一ツ石神幸祭(しんこうさい)という神事が行われている。穂掛祭は、前日に、中海の袖師ヶ浦(そでしがうら)で禊を行う。そして、社務所で新米や神酒、焼米などの神饌を調理し、稲穂を榊に取り付けた穂掛榊作って七十五か所に捧げ、その神饌をお供えする、豊作を感謝する祭事である。