男女の戦いは子宮の中で始まっていた。父と母の遺伝子が栄養をめぐって争っていることが判明 (3/4ページ)
胎児からIGF2が送られてくると、母体は「IGF2受容体(IGF2R)」を媒介にして、その増加に反応する。
IGF2もIGF2Rも、それぞれの情報を保存する遺伝子によって作られているのだが、じつはこれらの遺伝子には父母どちらからもらったのかの記録もある。そして、母由来か父由来かでスイッチの入り方が違う。
IGF2を作る遺伝子でスイッチが入るのは、父親からもらったものだけだ。その反対にIGF2Rを作る遺伝子でスイッチが入るのは、母親からもらったものだけだ。
このように母由来か父由来かで発現の仕方が変わることを「ゲノム刷り込み」や「ゲノム・インプリンティング」という。
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image credit:Ionel Sandovici
・父由来の発現遺伝子が貪欲である可能性
今回の研究の主執筆者ミゲル・コンスタンシア博士は、「一説によると、このようなことが起きるのは、父由来の発現遺伝子が貪欲で、利己的だからであるそうです」と説明する。
そうした父由来の遺伝子は、母体からできる限り多くの資源を手に入れようとする。すると母由来の遺伝子が、バランスを取ろうとそれに対抗する。