ここはファンタジーの世界?いいえ、富山です 小矢部市に「お城みたいな建物」が多いワケ (2/3ページ)

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現在、市内には「大谷中学校」「蟹谷(かんだ)小学校」を初め、計34のメルヘン建築がある。

大谷中学校(写真はyascoloさん提供)

たとえば、レンガ色の尖った屋根がモダンな大谷中学校は、協会の公式サイトによると本体の塔屋は東大安田講堂、正面は東大教養学部のキャンパスをモデルに作られている。

そして、高さ47メートルに及ぶ塔の先端はオックスフォード大学の学生寮、体育館は大阪・中之島にある中央公会堂がモチーフ。

校舎の内部は国立劇場、クラブハウスのドームはフィレンツェの大聖堂と、そうそうたる世界的な建築物を参考に建造された。

他にも、津沢小学校の体育館は早稲田大学の坪内演劇博物館、荒川公民館の本体はバッキンガム宮殿、林間休養施設(恵林館)はスイスのチロル風山小屋......などなど、有名な建物をモデルにしたものが多い。

小矢部市がメルヘンな町の魅力を発信し始めたのがおよそ1981年ごろとのことなので、少なく見積もっても40年以上、これらの建物は町のアイコンであり続けているわけだ。

では、実際にそこで幼少期を過ごした地元の人は、「メルヘン建築」に対してどのような思いがあるのだろうか。

メルヘン建築で育った小矢部市出身者は...

富山大学人文学部文化人類学研究室が出版した論文「創造と継承が交わる地平 : 人々が紡ぐ小矢部」(2020)の中で、筆者の吉田彩香さんは次のように述べている。

「私は小矢部市で生まれ育った。出身保育所と中学校は共にメルヘン建築である。特異な外観を持つこれらの建築物が小矢部市特有のものであると気が付いたのは、小学校の総合学習の時間だった。それ以降、母校が一風変わった建築物であることがどことなく嬉しかった」「他の学生から『田園風景に合わない』『違和感がある』との声を聞いた。
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