【日中翻訳フォーラム】平松宏子さん、『「読書」の社会学的研究』の翻訳デビュー体験談を語る (3/4ページ)
文が難解でとても苦労しましたが、周囲の方々、特に「中国語の師匠」や娘夫婦にはかなり助けられました。
日中翻訳学院の「翻訳体験談」を読むと、皆、「調べること」にかなりエネルギーを注入していることがわかります。たった一つの単語の意味を調べるために、あちらこちらの専門家を訪ねたという記載もあったと思います。(省略)
張さんの指示を受け、文章を見直して「中国語を日本語に置き換えただけのわけのわからない文章」を「意味のある日本語」に整える作業を行いました。
高校の現代文の授業をイメージし、「まず自分が読んで理解してから、それをわかりやすく伝える」ことを念頭に置きました。自分が理解できていなかったり、伝えようとしても意味が通じない場合は、だいたいが誤訳でした。
また、武吉先生は「音読」することで細かい言葉にも注意を払うことが必要だとおっしゃられていました。(省略)
現在、第一回の校正が終わったところです。翻訳を「完成品」として提出したはずなのに、いざ紙に印刷されたものを見ると、これでもかというほど修正箇所が出てきました。翻訳と言えば、外国語を日本語にして終わりですが、「翻訳家」の仕事は、その上に「正しく校正する」仕事があるのだということをかみしめています。これは、けっして簡単な仕事ではありません。また、量が多いだけに、見落としがまだまだありそうで、第二回の校正も緊張感を持って進めなければ、と思っています。
・その他
翻訳を始めるにあたり、「翻訳スケジュール」を提出しなければなりません。これに際し、日本僑報社の方が、こちらのスケジュールを尊重してくださったことに、非常に感謝しています。月1回の進度の報告以外、急かされたことは一度もなく、印刷に進む際も、「私の気が済むまで」待ってくださいました。とてもありがたく思っています。思えば、一昨年の7月に翻訳にとりかかり、平日は1時間、休日で2~3時間ほどしか確保できない状態で、昨年の今頃は、「一生この本の翻訳をしているのではないか」とすら思っていました。
今は二校目に取りかかったところで、校正の他、本の紹介、翻訳者の紹介など、日本僑報社のご担当の方とのやりとりに忙しいこの頃です。「プロになるってこういうことなんだなあ」と今までとの違いをかみしめています。