失われた髪は取り戻せるのか?薄毛・無毛治療研究の最前線 (2/4ページ)

カラパイア



 ならば、失われた幹細胞を回復させてやれば、髪の毛も回復すると考えられる。dNovo社はそのために、毛包遺伝子の活動パターンを変化させて、普通の細胞を髪幹細胞に転換している。

[画像を見る]

image credit: DNOVO

・老化克服の鍵を握るiPS細胞
 大袈裟かもしれないが、こうした薄毛・無毛治療研究は、細胞の再プログラムによって老化を克服しようという挑戦の一環である。

 実際、ハゲ治療と同じように細胞を再プログラムすることで若返る方法を模索する企業や、血液細胞を卵子に変えて不妊治療を試みる企業がある。

 このような研究が盛んに行われるようになったのは、2000年初頭に京都大学の山中伸弥教授らが、細胞を培養して人工的に幹細胞(iPS細胞)を作る方法を考案したことがきっかけだった。

 これによって、神経から心臓の筋肉まで、あらゆる細胞を供給できるようになると大いに期待された。

[画像を見る]

photo by iStock

・実証実験は今後の課題
 だが実際には、幹細胞から特定の細胞を作る方法は、手探りで探さなければならない。

 たとえ実際に必要な細胞を作れたとしても、それを人体に戻すのはまた別の話だ。これまでのところ、幹細胞で実際に患者を治療できた実例はわずかでしかない。

 たとえば日本では、2014年に神戸市立医療センター中央市民病院の医師が、幹細胞から作られた網膜移植を試みている。2021年には米バーテックス社が、インスリンを分泌する細胞を移植して糖尿病の治療に成功した可能性があると発表している。
「失われた髪は取り戻せるのか?薄毛・無毛治療研究の最前線」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る