バカ者!父親から枕を投げつけられた平安貴族・大中臣能宣、いったい何をやらかした? (3/4ページ)
いやはやまったく新年に相応しい、見事な歌だ……浴びるような賞賛を土産に帰宅した能宣は、父にそのことを話しました。
「ふむ。千歳まで……萬代を経む……」
しかし父は難しい顔で何度も歌を詠み返し、いきなり能宣を叱りつけます。
「バカモノ!親王殿下に対してここまでの歌を詠んでしまったら、今上陛下の前でどんな歌を詠めばよいのだ!」
そばにあった枕をつかんで投げつけ、能宣は慌てて逃げ出したということです。
終わりに
父親から枕を投げつけられ、逃げる大中臣能宣。菊池容斎『前賢故実』より
大中臣朝臣能宣。祭主頼基子也。世善歌。至能宣最著名。與坂上望城・源順・紀時文・清原元輔。撰浚撰和歌集。世稱梨壷五歌仙。進爲正四位下神祇大副祭主。正暦二年卒年七十一。能宣嘗赴敦實親王子日宴作歌。深自負其巧。以告父頼基。頼基吟誦数四。忽作色勵聲曰。他日若得昇殿。侍至尊子日宴。則将何詞頌之。乃擧枕擲之。能宣走而退。
※菊池容斎『前賢故実』巻第五より
せっかく素晴らしい歌を詠んだのに、なぜ能宣は怒られたのでしょうか。