「鎌倉殿の13人」放たれた矢のゆくえは…第4回放送の振り返りと次回のポイント

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「鎌倉殿の13人」放たれた矢のゆくえは…第4回放送の振り返りと次回のポイント

令和4年(2022年)NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、前回ようやく挙兵を決意した源頼朝(演:大泉洋)。

平氏討伐の手始めに山木兼隆(演:木原勝利)とその後見役・堤信遠(演:吉見一豊)を討つと決した一同ですが、兵はなかなか集まりません。

これで本当に勝てるのか、主人公の北条義時(演:小栗旬)は頭を抱えるのでした……。

挙兵前日……このままで大丈夫か?

平安時代、何事も神意を問うべくまずは御神籤(おみくじ)を引きましょう。北条時政(演:坂東彌十郎)の後妻・りく(演:宮沢りえ)の手ほどきによって占いが行われ、挙兵は8月17日に決定しました。

……まぁ、インチキですけどね。実は8月17日が最も好都合だったので、すべての籤を(8月)17日と書いておいたのです。

どの籤を引いても、結果はすべて「拾七日」だった(イメージ)

初登場以来、じわりじわりと策士ぶりを見せ始めたりく。後で北条政子(演:小池栄子)に「戦は男がするもの。私たちはその後のことでも考えていましょう」としたたかぶりを見せます。

そうして8月16日、いよいよ挙兵前日となりましたが、集まっている兵はたったの18名。加勢を申し出てくれた三浦義澄(演:佐藤B作)や和田義盛(演:横田栄司)らはいかんせん遠方。

前回に300名とか言っていたのはどうしたんだ!頼朝はへそを曲げてしまいます。

義時は自分の見立て違いに恐縮しますが、父の時政や兄の北条宗時(演:片岡愛之助)らは「挙兵すれば何とかなる」と楽観的です。

宗時「大丈夫だ、うまく進んでおる」

そんな兄たちにホッとしながらも、やはり何とかしなければならない義時。すると姉の政子が川向こうを眺めながら、恐ろしくニコニコ。

政子「ずっとこっちを見てる」

川向こうには、頼朝の元妻である八重姫(演:新垣結衣)が恨めしげにこっちを見ています。

政子は最近、挙兵のプレッシャーにさいなまれる頼朝と上手く行っていないようで、その憂さ晴らしをしていたのでしょう。

政子「もしも佐殿と八重さんに何か(復縁するようなことが)あったら、私、何をするか分かりませんからね」

そう義時を脅して去る政子。溜息をつきつつ兵を集める任務に戻る義時に、八重姫が声をかけます。

八重姫「何か騒がしいようですが、戦でもあるのですか?」

最初はとぼける義時も、抱えきれずに「仮の話」として挙兵をほのめかしてしまいました。

言うなよ!とツッコミを入れたいところですが、何かと面倒ごとを丸投げされ続け、正直参っていたのかも知れません(もちろんそれでもダメですが)。

ともあれ兵を集めるためには、頼朝自らに頭を下げてもらうよりない……義時は頼朝を説得します。

頼朝「……よう申した」

最初は「坂東の田舎者に頭など下げられぬ」と嫌がっていた頼朝でしたが、それが理に適うとなれば全身全霊の大芝居。土肥実平(演:阿南健治)や岡崎義実(演:たかお鷹)、佐々木秀義(演:康すおん)らを虜にしました。

頼朝への忠誠を誓った土肥実平。菊池容斎『前賢故実』より

頼朝「覚えておくがよい。嘘も誠心誠意つけば、まことになるのだ」

変わり身の早さに舌を巻いた義時でしたが、集まって来るのは年寄りや肥満体の工藤茂光(演:米本学仁)など何とも頼りない者ばかり。

頼朝「まるで年寄りの寄合だ……」

そんな中、安達盛長(演:野添義弘)が加勢を要請した山内首藤経俊(演:山口馬木也)は頼朝の乳兄弟でありながら、これを拒絶。

経俊「今度の戦、まさに富士山に犬のクソが挑むようなもの。わしはクソにたかる蝿にはならぬ!」

散々な侮辱に憤る盛長、そして絆の虚しさを儚む頼朝……数年前(第2回)に言っていたアレは何だったのでしょうか。

※あの時、経俊が何と言ったか……第2回の振り返りはこちら。

「鎌倉殿の13人」義時を心服せしめた頼朝の威厳…第2回「佐殿の腹」振り返りと次回のポイント

毎晩々々、夢枕に後白河法皇(演:西田敏行)が現れて「挙兵はまだか」と責め立てる……「毎晩これは辛い」さすがの頼朝もうんざりです。

いよいよ運命の8月17日

一方、八重姫は義時から聞き出した挙兵の情報を父・伊東祐親(演:浅野和之)に伝え、祐親はこれを大庭景親(演:國村隼)に伝えました。

大庭三郎景親(左)。歌川国芳「源頼朝石橋山籏上合戦」

景親「で、挙兵はいつ、どこで?」

ちょうどその頃、景親は別の任務で忙しく、頼朝の挙兵についてとりあってくれません。

そして運命の8月17日、本当に挙兵すべきか留まるべきか……情報が洩れている以上、判断の誤りは破滅に直結します。

今回の襲撃、山木兼隆を討ち取らねば意味がありません。果たして兼隆は館にいるのか否か、その情報を探るべく義時は八重を訪ねますが、議論は平行線のまま。

八重姫「北条も愚かな。佐殿の口車に乗せられて、無謀な戦を始めようとは」

それを聞いた義時は、初めて八重姫に反論します。

義時「飢饉になれば、多くの民が死にます。だから我らは起つのです!」

もうこれ以上、民を虐げる平氏政権の好きにはさせない。そんな思いを伝えて義時は戻りました。

すると八重姫の夫である江間次郎(演:芹澤興人)がやって来て、三嶋明神のお祭りに八重を誘います。

目代殿(山木兼隆)は昨日落馬して足を怪我したので館にいるから、務めをサボって遊びに行っても見咎められない……八重姫はその情報を伝えるため、川向こうの北条館に合図の矢を射放ちました。

八重姫からのメッセージ(イメージ)

矢には白い布が結びつけてあり、これを義時と頼朝は「今夜挙兵すべし=山木兼隆は館にいる」というメッセージと理解します。

結局、集まった兵は24名。それでもやるなら今夜しかない……頼朝は総員に戦支度を命じました。

出陣に際し、時政が「表通りは人目について厄介だから、裏道を行ったらどうか」と提案しますが、頼朝はこう答えます。

「我らはこれより大事をなすのだ。堂々と大通りをゆけ!」

「これより、伊豆目代・山木兼隆ならびに後見・堤信遠を成敗する」

「一同、都におわす院のおぼし召しである!山木が首、見事挙げてまいれ!」

頼朝の下知に、義時たちは堂々と出陣したのでした。

終わりに・次週第5回「兄との約束」とは

かくして二十年の雌伏を経て、ついに放たれた「平氏を征する最前の一の矢」。

にっくき堤信遠を討ち果たすべく突撃する義時たち。第2回で土下座させられ、第3回でせっかくの野菜を踏みにじられ……尺の都合が許す限り、信遠の最期もしっかり描いて欲しいところです。

初陣で緊張している義時に対して「大丈夫だ、俺も怖い」となごませる宗時、「俺もちびっちゃいそう」と笑いをとる時政。こういうところに、北条一族の絆が感じられます。

一方、挙兵に際して何も知らされず「私って、そういう存在なの!?」と怒っていた妹の実衣(演:宮澤エマ)。確か設定では秘密を胸にしまっておけない性格とかで、蚊帳の外にされたのかも知れません。

歌川国芳「頼朝旗起八牧館夜討図」

そしてみんなが戦っている中、ひとり妻・政子の膝枕で戦果を待ち続ける頼朝。動かずにいるのが一番辛い……本当なら、一緒に戦いたかったことでしょう。

さて次週の第5回「兄との約束」、ネタバレになりますが、次回で兄・宗時が討死します。

宗時「坂東武者の世を作る。そして、そのてっぺんに北条が立つ。そのために源氏の力が要るんだ。頼朝の力がどうしてもな」

これまで政治にも戦にも、とうぜん権力にも興味のなかった義時が、兄と交わした最後の約束を守るため覚醒。

ついに始まった戦いの日々によって成長していく義時の姿、来週も楽しみにしています!

※参考文献:

『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月

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