世界最小の国「バチカン市国」元大使が語る秘密のベールの内側 (1/2ページ)

新刊JP

世界最小の国「バチカン市国」元大使が語る秘密のベールの内側(*画像はイメージです)
世界最小の国「バチカン市国」元大使が語る秘密のベールの内側(*画像はイメージです)

イタリアのローマ市内にある小国「バチカン市国」。
日本では「世界最小の独立国家」として知られているが、カトリックの総本山ということからキリスト教世界では誰もが知る存在だ。宗教への関心が低めの日本にいると、その影響力や発言力はぴんとこないかもしれないが、世界から一目置かれる国なのだ。

『バチカン大使日記』(中村芳夫著、小学館刊)そんな日本では知られていないバチカンについて、「大使」としての経験を交えて紹介する、なんとも貴重な本だ。

■なぜバチカンは世界から一目置かれるのか

著者の中村芳夫氏は経団連の副会長をつとめたのち、2016年から2020年まで駐バチカン大使を務めた。経済界から外交の世界に入った異色の存在である。

バチカン市国の規模や場所からして、大使は駐イタリア大使が兼任していそうにも思えるが、日本はバチカンに専任大使を置いている。ただし、在バチカン日本大使館も大使公邸もバチカン市国の中にはなく、ローマ市内にあるのだそう。

面積でいえばこじんまりしているバチカン市国だが、その影響力は計り知れないものがある。

G7が指導力を失い、G20も機能しなくなったGゼロと言われる世界の中で、モラルリーダーとして、教皇の発言の影響力は大きい。在任中、トランプ前米大統領、プーチン露大統領、メルケル前独首相、マクロン仏大統領らがバチカンを訪問し、教皇フランシスコと会見していることはその証左といえる。(P12より)

またローマには88の国と地域が在バチカン大使館を置いている。国家としてのバチカンはそれだけ重視されているのだ。ただ、その理由が「カトリックの総本山だから」では、日本人には理解しにくい。カトリックの総本山であることは、バチカンに何をもたらしているのか。

その一つが膨大な量の情報だ。バチカンは日々、13億人をこえる信徒と世界各地に広がった教会から情報を収集している。それゆえに、バチカンは紛争や格差など世界の「現場」にもっとも通じた存在なのだ。

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