絶対復讐してやる! バンドマンに遊ばれた腹いせにバンドを乗っ取った話 (2/3ページ)
用心深い彼は自分の女関係をメンバーにも秘密にしていたようで、私を見て一瞬表情が強張ったものの特に何も言わずに採用が決定。幸か不幸か彼は性欲の鬼だったため、私がスタッフに就任した後も私たちの関係は秘密裏に続きました。
採用後は彼以外のメンバーからの絶対的な信頼を得るためにとにかく働きました。イベンターとの人脈を生かして大きなイベントの出演枠をもらってきたり、地方のイベントの出演枠をもらってきたり、グッズ開発に力を入れて物販の売り上げを伸ばしたり……私なしではバンドが回らない、そうなったところで爆弾投下です。
「実はずっと前から彼に遊ばれてた。もうツラい。スタッフ辞めたい」
その後はもう修羅場です。ちょうどバンドが勢いに乗ってきた時だったので、メンバーの怒りは凄まじかったです。彼に対して「脱退しろ」とか「これまでの活動にかかった経費を賠償しろ」とか「ごまたんに慰謝料払えよ!」とか、メンバー全員で彼を糾弾する地獄絵図。
私は「ごめんなさい、私が全部悪いの……私さえいなければ……」とメンヘラ女の常套句を言いながらシクシク嘘泣きをしていました。
もはやバンドの解散は避けられず、私がスタッフとして潜入して1年、やっと私の復讐が大成したのです。
■イタい恋から得た教訓「一番の復讐は忘れて幸せになること」
当時のマイナーバンドのスタッフなんて、どんなに仕事ができてもお給料は0に等しいものでした。私は18〜19歳の貴重な時間を復讐のために費やし、お金にもならない仕事に心血を注いだのです。30を過ぎた今となって思えば、その年頃の時期にしかできない経験がもっとあったはずです。私は売れないバンドマンへの復讐のために、その時期の貴重な1年間を無駄にしました。さっさと見切りをつけて、次の恋に進むべきだったのです。
さて、先日十数年ぶりにその彼に会う機会がありました。
偶然の再会だったのですが、声をかけられた時点では彼が誰なのか、本当に分かりませんでした。