「花の名は」都びとの侮辱に和歌で反撃した平安時代の武将・安倍宗任の教養と誇り (2/4ページ)
虜囚の辱しめを受けた宗任らは京都へ連行され、都ではまるで捕らわれた珍獣を一目見ようとばかり野次馬が押しかけました。
宗任らが護送される沿道は、押すな押すなの大盛況……そんな中、意地悪な者が梅の花枝を持ってきます。
「奥州の蝦夷(ゑみし。東国の野蛮人)は花の名など知らぬであろう……おい、これの名前を知っているか?」
宗任の鼻先に梅の花枝をつきつけると、人々はこぞって嘲笑を飛ばしました。何という侮辱……しかし宗任は毅然と言い返します。
わが国の 梅の花とは 見つれども 大宮人(おほみやびと)は いかゞいふらむ
※『平家物語』剣の巻より【意訳】私の故郷では「梅」と呼んでいる花のように見えますが……やんごとなきお方々は、何か特別な呼び方でもしているのでしょうかね?
ただ「梅」と答えれば足りようところを、当意即妙の歌を詠んで返した宗任に、都びとらは驚きました。