強いストレスを受けると脳に動的変化が起きることが判明

カラパイア

強いストレスを受けると脳に動的変化が起きることが判明
強いストレスを受けると脳に動的変化が起きることが判明

[画像を見る]

 強い精神的ストレスは、急性ストレス障害(ASD)を引き起こすことがある。その症状は、怖い体験がフラッシュバックしたり、不安や緊張が続き、めまいや頭痛、睡眠不足などがある。

 今回の研究は、急性ストレスを感じる状況で脳がどのように変化するのか、その一部始終を観察した初のものだ。

 それによると、脳の異なる領域間のコミュニケーションに変化が生じるだけでなく、動的変化も確認されたという。

 すなわち、急性ストレスを受けている間、脳内では異なるネットワークが異なる振る舞いをするようになるのだ。

 このことは、人がネガティブな気分にいかに弱く、それが精神を病むリスクをどれほど引き上げるのか示唆しているという。

・急性ストレスを受けた脳では動的な変化が起きている
 急性ストレスを受けた脳で起きる動的プロセスについては、ほとんど知られていない。と言うのも、脳研究のほとんどは、ある一時点における活発な領域にのみ焦点を当てたものでしかないからだ。

 そこでマックス・プランク精神医学研究所とテュービンゲン大学のグループは、難しい数学問題を解いているときなど、ストレスを受けている間の脳の状態を最初から最後まで観察してみることにした。

 「この研究では、変化が起きている場所だけでなく、ストレスが続いている間中にさまざまな領域が相互作用する様子や、それらのコミュニケーションが変化する様子を明らかにしています」と、マックス・プランク精神医学研究所のアンネ・キューネル氏は話す。

 この研究結果は、『Biological Psychiatry』(2022年1月25日付)に掲載された。

[画像を見る]

photo by Pixabay

・人によってストレスの反応に差がある
 この研究では、MRIに入った参加者に、限られた時間内で数学の問題を解くよう指示している。そして参加者は実際の成績とは関係なしに、必ず悪い結果を受け取った。

 この状況なら誰でもストレスを感じるはずだ。この間の脳の働きをMRIで観察してみると、脳内ネットワークの動的反応は人によって違ったのだという。

 こうした反応の違いは、どれだけ不安や落ち込みを感じていたかと関係があるようだ。性格がネガティブな人は、それだけ心を病むリスクが高いことが知られている。
こうした脳領域間コミュニケーションの変化は、精神疾患がネットワークの病気であるという仮説を裏付けています。心を病んだ人は、神経単位での相互作用が乱れていると考えられるのです
 マックス・プランク精神医学研究所のエリザベス・バインダー氏は「この新しい発見は、個人に合わせた診断や治療を行う上で重要です」と付け加える。

[画像を見る]

photo by iStock

・個人に最適化された精神疾患の治療に期待
 テュービンゲン大学のニルス・グローマー氏は、患者一人一人に合わせた治療が可能になるかもしれないと、この発見に大きな可能性を感じている。
脳のストレス反応には、人それぞれに重要なパターンがあることを初めて明らかにできました。PTSDや好ましくないストレスの後遺症など、ストレスに起因する体験の理解が深まるでしょう。

将来的にこの脳反応動的モデルを利用すれば、たとえば薬の標的効果を研究して、リスクの高い人のストレス反応を改善するなんてことができるかもしれません
 この研究には、うつ病や不安障害といった気分障害のある人とない人、どちらも参加している。

 MRIによる検査のほか、ストレスホルモン(コルチゾール)や心拍数も計測された。さらに精神疾患の重要な情報源となる客観的指標としてのバイオマーカーも探された。

References:Acute Stress Leads to Dynamic Changes in the Brain - Neuroscience News / written by hiroching / edited by parumo


画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
「強いストレスを受けると脳に動的変化が起きることが判明」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る