編曲家・若草恵「中島みゆきさんに叱られるのではとドキドキ」【歌詞を曲で表現する人間力】インタビュー (2/3ページ)

日刊大衆

■『かもめはかもめ』の詞を読んだときには、衝撃を受けた

 中島みゆきさんが書いた『かもめはかもめ』の詞を読んだときには、衝撃を受けましたね。“僕が探していたのはこの曲だ!”と。研ナオコさんが歌ったこの曲はヒットしましたが、中島みゆきさんと会うことになったときはドキドキしました。好き勝手に編曲したことを叱られるのでは、と思ったんです。

 緊張しながらスタジオを訪れると「あなたのって、後ろからバーンと叩かれるような編曲なのよね」とおっしゃる。“ああ、やっぱり叱られるんだ……”と思ったら、「だから、私の曲もやってくれない?」と。最初の言葉は、最大の賛辞だったんですね。本当にうれしかったです。

『愛燦燦』など、美空ひばりさんの曲を編曲したのも、忘れられない思い出です。ひばりさんが亡くなってからしばらくたったとき、(息子の)加藤和也さんが来られて、「これはおふくろが次に発表する予定だった曲で、ぜひ若草さんに編曲してほしいと言って亡くなったんです」と、『魂のかけら』という曲を渡してくださったんです。ひばりさんがそれほどまでに僕を思ってくださったことを知って、胸が震えましたね。

 ずっと弟子は置かなかった僕ですが、12年ほど前、なつこという歌手に出会いました。彼女の歌声を聞くと非常に魅力的な声で、これは僕がやりたい音楽を実現してくれる歌手かもしれないと、育ててみたくなったんです。

 そんな彼女に昨年、『ガラスの蝶』という曲を書きました。

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