鎌倉幕府、室町幕府、江戸幕府…で、「幕府」って何?驚くほど曖昧なその定義と用法 (2/5ページ)

Japaaan

藤田東湖(Wikipediaより)

幕末になると、この思想が「尊王攘夷」へと結びつき、倒幕運動へと発展していきました。

さて、言葉の上では「幕府」は存在していなかったものの、しかし現に武家政権というものはあったわけです。では、その政権の権力を根拠づけていたものは何だったのでしょう。それこそが「幕府」の根拠だったのでしょうか。

「幕府=征夷大将軍」でもない

ここで思いつくのが、水戸学でも取り上げていた「征夷大将軍」です。日本史の教科書でもよく、「朝廷から征夷大将軍の地位を与えられたから幕府を開いた」という、分かったような分からないような説明がなされてきました。

つまり「幕府=征夷大将軍を中心とした武家政権による権力機構」ということです。

しかし、そうとも言い切れないのです。ここで問題になるのは、「室町幕府が滅んだのはいつなのか」ということです。

確かに教科書的には、源頼朝、足利尊氏、徳川家康と、どれも征夷大将軍の地位を朝廷から得て幕府を開いたという説明がなされます。

一方、室町幕府が滅亡したのは1573年で、最後の将軍である足利義昭が織田信長から追放されたのが滅亡の理由だとされています。しかし、義昭はこの時、征夷大将軍の官位を返上してはいません

それどころか、各地を転々としながらも、一定の権威は保ち続けていました。

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