鎌倉幕府、室町幕府、江戸幕府…で、「幕府」って何?驚くほど曖昧なその定義と用法 (3/5ページ)
室町幕府は滅亡したものの、最期の将軍はいつまでも征夷大将軍のままだったのです。彼が官位を返上したのは、豊臣秀吉が天下を取った1588年のことでした。
「そんなの、義昭が勝手に名乗っていただけじゃないか」と言われそうですが、そうでもありません。秀吉は信長の死後、天下統一のための外交や九州平定の際に、義昭の地位を利用しているからです。
室町幕府は滅んでも、みんなが彼のことを権威ある征夷大将軍だと認識していたのです。
つまり、征夷大将軍はまだ存在していたにも関わらず、1573年に室町幕府は滅んだということです。
では、「幕府」は、いわゆる征夷大将軍がいてもいなくても関係ない、それ自体が権力や支配力を持った統治機構、政治体制のことを指すのでしょうか。
そこまで考えたところで、次に問題になるのが「じゃあ鎌倉幕府の成立はいつなのか」です。
現実に「幕府」とは呼ばれていない武家政権もあるこれについては、かつて少し上の年代の日本人は「1192年」として教えられたものですが、今は「1185年」というのが主流です。なぜなら源頼朝が征夷大将軍になったのは確かに1192年なのですが、彼が各地に守護・地頭を設置して、事実上の支配権を手にしたのが1185年だからです。