日常的に着物を着ていた日本人が何故洋服を着るようになったのか、明治時代の「引札見本帖」に探る【中編】 (2/5ページ)
男性は断髪令の発令により髷を落として洋髪となりましたが、警官など制服で洋服を着ている人も家に帰れば着物に着替えてくつろぐというのが一般的だったようです。
着物を誂える母娘 新版引札見本帖. 第1-6 国立国会図書館デジタルコレクション
裕福な家庭ではやはり着物を誂えることのほうが自然なことでした。
しかし時代背景としては明治政府の日本近代化政策により、鉄道開業や日刊新聞の発行、富岡製糸工場の設立などにより国家の近代化が進んで行きました。
このようにインフラの整備が整い始め情報が庶民に伝わり始めると、それに応じて産業も今までよりも急速に発展し始めていったのです。
上掲の引札にもあるように、女性が振り返って着物姿を確認している鏡は、それまでの日本には無かった大きな鏡がついた西洋家具です。そのそばにいる少女の髪型も今までの日本髪のそれとは違っています。
このように引札にはそのときの最新の情報が描かれていたのです。そしてこの引札を受け取る人々は時代の先端を感じていったのです。