【日本僑報電子週刊】連載「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ (1/3ページ)

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【日本僑報社発】3月13日配信の日本僑報電子週刊第1505号は、中国人大学生の連載原稿・「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ が掲載された。全文は下記の通りである。

【日本僑報電子週刊】連載「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ
【日本僑報社発】3月13日配信の日本僑報電子週刊第1505号は、中国人大学生の連載原稿・「鶴の橋渡し」コラム(3) 頑張れ、雪松町/瀬川 はやみ が掲載された。全文は下記の通りである。

「鶴の橋渡し」コラム(3)
頑張れ、雪松町
瀬川 はやみ 
 「うちの団地はね、今日から封鎖に入るわよ」
 母の一言で眠気が一気に吹き飛んだ。
 窓を開けると、肌寒い春風が入ってきたとともに、聞き慣れない町内アナウンスが聞こえてきた。
 「雪松町の住民のみなさん、マスクをつけて、町内会の隣にある公園へPCR検査を受けに来てください」
 ここ一か月、上海ではコロナが一気に広がっていた。オミクロン株の感染ルートを明確にするために、各団地では検査を進めていたが、毎日、驚くほど感染者数が右肩上がりで、一向に収まる気配がなかった。母によると、昨日の恒例検査で陽性感染者が見つかったらしく、私たちの団地はしばらく封鎖されることになり、毎日、検査を受けなければならない。体の不自由な父のために、検査係が後から自宅まで検査しに来るので、私と母は指示どおりに検査先へ向かった。
 4階の我が家から下へ降りるのに2分、町内会の隣にある小さな公園まで5分しかかからない。短い距離だが、今日は妙に長かった。久々の外出だからか、街中の光景に異様さを感じた。マスクをつけながら検査を受けに行く人もいれば、団地の入口まで野菜や米などを受け取りにいく人もいる。春に入ったとはいえ、寒風がまだまだこの地を離れないのであろうか、身に染みるほどの風がコートの中へ潜り込んできて、私はコートをぎゅっと締め付けながら歩いていた。
 そういえば、今年の桜はもう咲き始めたのだろうか。
 たわいのないことを考えていると、いつの間にか検査先の公園に着き、そこには既に長蛇の列ができていた。周りを見渡せば、お年寄りばかりだった。

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