トンデモか否か!?意外と根強く残っている「武将・上杉謙信は女性」説を整理してみる【後編】 (2/5ページ)
また、この時代に「実子がいない」ことは大きなリスクで、彼の婚姻を頑なに拒む姿勢はちょっと異常です。
この「生涯不犯」の理由は、現在の研究者の間でもよく分かっていません。ただ、いくつかの説があります。
まず「同性愛者説」です。しかし、謙信が同性愛者だったのか、またそうだとすれば女性との婚姻を拒むほどの強い性向だったのか、はっきりした証拠はないので何とも言えません。
③「生涯不犯」の謎(2)もうひとつ「性的不能説」もあります。が、これも同性愛者説と同じく、それを証明する資料も否定する資料もないので何とも言えません。
個人的には「性的不能説」は仮説としては納得がいくものの、逆に、そういえば戦国武将はみんな正妻や側室を得てたくさんの子をなしていますが、中に性的不能だった人はいなかったのだろうか? と不思議になります。
今でこそ、男性のEDは治療可能なものとして認知されるようになりました。しかし、現代社会などよりも計り知れないストレスにさらされていたであろう戦国武将が、誰も性的不能ではなかったというのも奇妙な気がします。
話を戻すと、謙信本人が熱心な仏教信徒だったことから、仏教の教えを固く守ったのではないかという「宗教戒律説」もあります。実際、江戸時代の軍記物『越後軍記』には軍神への帰依を理由に色欲を拒んだと記されているそうです。