まさに「友の友たり」!平安貴族・伴友足がみんなと分かち合った鹿肉と思い出 (3/4ページ)
お捧げもの)として良いところをとり、残りは余すことなくみんなに分け合いました。
「いつもありがとう」
「お陰で不猟(ボウズ)の時でも、妻や子供らに面目が立つよ」
「いいんだよ。山海の恵みはすべて神々の思し召しだし、こういうのはみんなで食った方が何倍にも美味いじゃないか!」
すがすがしい友足の態度にみんなは感心し、やがて口々に話し合ったと言います。
「もし何かの間違いで友足が地獄に堕ちるようなことがあれば、みんなで閻魔大王に無実を訴えようじゃないか」
「もちろんだ。アイツが地獄に堕ちるなんてありえないからな」
「逆に、勝義の野郎が何かの間違いで極楽へ行くようなことがあれば、みんなで閻魔大王に訴えようじゃないか」
「もちろんだ。あの野郎が極楽へ行くなんて、理不尽にもほどがある」
……友足へ恩義を感じていたことはよく分かりますが、勝義は一体みんなに何をしたのでしょうか。よもやケチなだけではないのでしょうね。
終わりに・武人として理想的な最期まさに友達の中の友達……「友の友たり」もとい伴友足ですが、承和10年(843年)
1月5日、68歳でこの世を去ります。
「あぁ……そろそろ死ぬな」
自らの死期をさとった友足は沐浴して心身を清め、束帯(そくたい。男性貴族の正装)をまとうと、座したまま安らかに息を引き取りました。