意外に知らない日本人による大発明 インスタント麺や青色LED以外にも (2/2ページ)

新刊JP

このネオジム電池が開発されたのは1984年。開発者は佐川眞人という日本人です。

ネオジム磁石ができるまで、「世界最強の磁石」は1960年代後半にアメリカで開発されたサマリウム・コバルト磁石でした。実はこの磁石ができるまで、日本は強力磁石の開発で世界をリードする「磁石王国」だったのですが、サマリウム・コバルト磁石の出現でその地位をアメリカに明け渡すことに。そこに登場したのがネオジム電池でした。

ただ、磁力は強かったもののネオジム磁石は熱に弱いという弱点がありました。そのため住友特殊金属にいた佐川は上司に「あなたの磁石はおもちゃにしか使えないよ」と言われて愕然としたそう。

この「強力だけど熱に弱い電池」を工業化するのに役立ったのがジスプロシウムというレアアースでした。これを磁石に混ぜると磁力は弱まるものの耐熱性は高まるということで、本来の磁力からは弱まったものの、サマリウム・コバルト電池よりも強力なまま200℃まで耐えられるネオジム磁石を作り出し、工業化できたそう。ちなみにジスプロシウムなしでは80℃くらいまでしか耐えられなかったようです。

世界の産業や人間の生活を変えた日本人の発明は実はまだまだたくさんあります。「日本はイノベーションが起きない国」と言われますが、決してそんなことはありません。本書を読めば日本の技術の豊かさと幅広さに驚くはずです。

(新刊JP編集部)

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