耳鳴りと睡眠に関連性があることが判明。睡眠の質を変えることで改善も (3/5ページ)
オックスフォード大学のリナス・ミリンスキ氏らによると、耳鳴りの患者の脳では、眠っているはずの領域が過活動になっていると考えられるのだという。
このことは、耳鳴りの患者がしばしば不眠や夜驚症( 睡眠中に突然、恐怖や興奮で叫び覚醒してしまう病気)であることとも関係するかもしれない。
耳鳴り患者は、眠りの浅い時間が長いことでも知られている。その理由をごく単純に考えると、耳鳴りに邪魔されて深い眠りに不可欠な徐波が作られず、そのせいで眠りが浅くなったり、途中で目が覚めたりすると思われる。
その一方、平均すると耳鳴り患者は眠りが浅いのだとしても、耳鳴りの影響をほとんど受けない深い眠りがあることもわかっている。その原因は、もっとも深い眠りは耳鳴りをも抑制してしまうことかもしれない。
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・耳鳴りも勝てない深い眠りがある
睡眠中に耳鳴りが抑制されるメカニズムはいくつかある。その1つは「ニューロン(神経細胞)」と関係がある。
昼間の間ずっと活動を続けたニューロンは、回復するために徐波活動モードに切り替わろうとする。そうしたニューロンが増えるほどに、脳の残りの部分も休息をとろうという欲求が強くなる。
この欲求が十分強くなると、ニューロンはやがて徐波活動モードに切り替わる。そしてこれは過活動状態にあって耳鳴りを起こしている領域も同様だ。だから、深い眠りに入れば耳鳴りも抑制されると考えられる。
さらに徐波活動は脳領域同士のコミュニケーションを邪魔することも明らかになっている。徐波がもっとも強く生じる一番深い眠りでは、そのおかげで過活動領域は他の領域に干渉できなくなる。
だから耳鳴りがあるからといって、絶対にぐっすり眠れないということではない。
また睡眠は、ニューロン結合の変化を通じて、記憶が定着するためにも重要だ。